・観光客として北朝鮮を訪れたペンバートンさん

写真家テイラー・ペンバートンさん(26)。カメラを携え、世界を旅する彼の SNS には、様々な国の写真が公開されている。ペルーからタイ、ベトナム、中国……そして北朝鮮。そう、彼は旅の途上で北朝鮮も訪れ、そこに暮らす人々の生活をカメラに収めたのだ。

・観光客に対する様々なルール

ペンバートンさんによると、北朝鮮を訪れた人は、持ち物から行動、観光できる場所、カメラ・ビデオに収める風景など、何から何まで監視下に置かれることになるのだとか。持ち物検査を受け、 “ガイド” の監視のもと観光を行い、カメラに収められた画像もチェック対象だという。

「起床も、食事のタイミングも、就寝も、全て時間が決められています。毎晩、“レジャータイム” も与えられますが、ホテルの中をうろついてイイだけです」と、ペンバートンさんは振り返った。う~む、噂にたがわず、統制の厳しい国のようだ。

・北朝鮮の風景、暮らし

そんな状況の中で、北朝鮮の風景にカメラを回したベンバートンさん。もちろん北朝鮮ならではの指導者の銅像に肖像画、金日成広場で行われた「祖国解放記念日」を祝うためのマスゲームなども撮影している。

しかし彼は、“北朝鮮の日常” に目を向けることの方が多いようだ。優しいガイドの男性、ローラースケートで遊ぶ子供、ホテルの中の様子、自転車をこぐ市民、車の修理をする人々など……。彼の写真を見ていると、どこの国でも見られる “ありふれた日常” が、北朝鮮にも広がっていることが分かる。その長閑さに、「行ってみたいな」という気持ちになるのだった。

・「本物の人間の姿を垣間見た」

以下のように話す彼にとって、等身大の人間の姿をカメラに収めることは、大きな意味を持っているようだ。

「確かに、北朝鮮は問題を抱えた国です。私が観光で見た風景も、国が対外的に見せている表面上の姿なのでしょう。けれども、今回私が撮影した写真の中には、誰もが共感できる人間の姿を捉えたものもあります。例えば、ローラースケートを履いた少年の写真。少年時代の僕も、彼のように駆け回っていました。北朝鮮の何がフェイクで、何がリアルか僕には分かりません。けれども、本物の人間の姿を垣間見たのは確かです」

また、いかなる場合でも軍人の撮影は禁止されていたのだが、ペンバートンさんの写真の中には、金日成と金正日の肖像画の前にたたずむ軍人の姿が収められているものがある。これは、走るバスの中から撮った1枚で、彼自身も軍人が写り込んでいたことに気が付かなかったのだとか。一歩間違えば危ない状況に陥ったかもしれないので、ちょっとゾッとしてしまう。

あまり良いニュースを聞かない北朝鮮だが、そこに住むのは私たちとなんら変わらない人間。ペンバートンさんの写真は、そんな当たり前のことを教えてくれるのだった。ちなみに、彼は北朝鮮をすでに出国しているという。

参照元:Facebook、Instagram @pembertonDesignTAXI(英語)